立地
中核都市且つ近くには全国から人が集まる歴史的構築物のある好立地からか？住宅が密集する住宅地にもかかわらず、準防火地域であります。有効土地面積はナント！！２３坪。建ぺい率６０％容積率２００％の狭小地の木造３Ｆ建て、建築面積１３坪　延べ床面積３５坪です。

設計・建築ストーリー
設計に４ヶ月＋工期６ヶ月の時を有し、【Ｔ邸】は完成しました。
わずか１３坪の小さな建築面積に、『棲家』への想いやアイディアが沢山詰まった住まい、簡素で贅沢な住まいを実現する為にこの１０ヶ月間は必要とされました。
上田氏が初めてＴさん御一家と会いヒアリングをした時に、「本物の自然派志向」というより、「自然と付き合いがしたい。」と要望され、ＣＭ効果のある優れた機能の建材類を単に押し着せるのではなく、想いの詰まった、、、「そうだ！チャネルの商材を検討してみよう！」と思い立ったそうです。
7-3子供部屋やロフトには、踏み心地柔らかなパインの床板を。親しいお客様を招く団欒室にはカエデの暖かく柔らかな質感を。ＬＤの床暖用にはマメの木（ヘベア）の硬さと上質感を。内装壁仕上げ材もホワイトウッドのパネリングから有機物を吸着分解する火山灰クリームを左官仕上げで空間によって使い分け、使い込むほど味の出るポプラの無垢ドアが空間を仕切り、つなぐ階段はカバ桜の無垢集成材で安定性を実現しました。これらは全てにおいて自然オイル塗装が施され、異なる樹種の統一感にも一役買っております。
エクステリアに目をやると、採用された外壁材はウイルウォール　ボード＆バテン。シンプルな高級感が実現できる縦張りタイプです。
塗り壁には、耐候性と耐久性に優れた高級アクリル・プライマーと天然素材シリカのコンビネーションを主原料としたフィニッシュコーティングを採用して貼り分け、スウェーデン製三層ガラスの木製サッシ（防火仕様）を贅沢なまでに配し、３階西面施工の木製ルーバーは強い西日を調節し、下屋の草屋根、蔀戸の採用で夏涼しく冬暖かい工夫がされました。防火仕様の米松無垢の玄関引戸、３階の直径１ｍの斜め軸回転の丸窓は、類まれな！逸品で、Ｔ邸の表情を作り出しています。特筆すべきは、強化ガラス張りのインナーバルコニーです。幸運にも隣接する東南の原っぱは市の所有で、将来ハーブ園になるとか！このロケーションと　Ｔ夫人とお嬢様がスカートをはかない習慣もあり！？総ガラス貼り。光と風を存分に取り込める。それら全てが一貫したストーリーで完結し、自然素材につつまれたこだわりの邸宅として凛としたたたずまいを形成しているのであります。

意匠設計・監理・施工者のコメント
「意匠については、特に”こうしてやろう”と思った訳ではなく、色々な機能の仕掛けを組み合わせて整理していくうちに”勝手にこうなった”というのが、正直なところです。
Ｔさん御一家も特に”和””洋”のこだわり無く、意図的に意匠を取り入れるよりは、機能や使い勝手を重視したら、”気がついたらこうなった”。その方が意外と自然でしっくりいくみたい。」とクールでニクいです！
「コンクリートの打ちっぱなしや人工的に作られた建材は、機能的でメンテナンスフリーといった特徴をもつものが沢山あります。
それに比べて自然素材は経年変化やメンテナンス等のお付き合いが、時として必要。ところが、不思議なことに？”木”や”土”など自然に近い状態を加工されたものを長時間眺めていても疲れない。これから何十年も住んでいただく家なのですから、家は癒される空間であるべきですし、それをメリットや価値として感じていただければ、逆に経年変化をおおらかな気持ちで楽しんでいただけるのでは？”自然と付き合う”とは、正にそういうことだと思います。」
・・・感涙です。。。

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